個人・小資本情報発信概論

20世紀、僕は衆愚の中で付和雷同を強要され、それに同化する最大限の努力をした。コミュニズムの掟、それは偏差値で換算される人間の価値。少年の頃からその違和感を全面的に感じ取ってしまっていた。自らを差別化、記号化させる道へ。それは自らを「個」と認めることと、一つ一つの他者をすべて「個」として見る目を養うことに始まった・・・。

act.7 ドメイン取ってヤル気を示せ!

 本格的なホームページの運用のひとつにドメイン取得がある。個人の運営者にとって憧れというか、ステータスみたいなものを感じれている方もいらっしゃるだろう。これは発信する側の事情である。それをなんとも思わない受信者も多いことだろう。しかし記号化された分り易いドメインは確実に受け手に響く。

 メリットとしては
 ・アドレスが短くなるので、サイトプロモーションに有利。
 ・アドレスが自分のサイトに関連して選べるので、サイトプロモーションに有利。
 デメリットとしては
 ・維持にお金がかかる。
 ・プロバイダのスペースでは利用できないケースが多いので、サーバを別途用意しなければならない。(又は転送サービスを受ける)
などだろう。個人の場合。でもはっきりいって、「プロバイダのURLでもいいじゃん、このサイト」と思われると逆効果になってしまうケースもあると思う。つまりサイト運営者の見栄だけでドメイン取ってるのか?とおもわれてしまうことだ。

 ドメインの運営にはオフィシャル性を担保に情報発信の責任を背負う。インターネットという媒体は危険な媒体である。デマや流言蜚語も多いと思った方がいい。なにせ発信者が実名を明かしているケースは少ない。プロバイダの下のディレクトリにあって、ハンドルネームで運営しているサイトを、ハナから信じようなんて思っちゃいない。井戸端会議の延長線上のような記述、いつ飽きて情報発信をやめてもおかしくない予備軍なのだ。「うちのサイトはそんなことはない!」と反論される方も多いだろう。だが判断基準が無い以上、一応ここで線が引かれる。勿論こうしたサイトでも有益な情報を発信し、サイトビジターの信頼を勝ち取り、雑誌に取り上げられたりすればだんだん信用がついてくる。でも基本ボランタリティに基づく行動は実生活において支障をきたした段階で突如サイト閉鎖になる可能性は高い。

 勿論、そうした有名なサイトになってからドメイン取るなり、広告とるなりしてサイトを拡大化するテもある。しかし現状成功しているサイトのほとんどは商用だろうが非商用だろうが、個人発信だろうと大企業発だろうと、独自ドメインを先に取得しているものだ。当然ながら雑誌のライターも人である。そのサイトの信用性を計る際に独自ドメインかどうかはモノサシになる。結局雑誌に取り上げられるサイトも独自ドメインのものが多くなり、成功への道を開きやすくなる。
 なぜか?それはドメインネームが主張しているのだ。この取得したドメインに誓って、最低限このドメイン名に恥じない情報発信をしますと宣言していることになる。少なくてもURLバーを気にする人はそう思う。毎月なり、年間なりでお金を払ってでも、このドメイン名周りの情報発信は俺(弊社)が担う!といった意気込みを社会に、世界に対して宣言することなのだ。NICがその意気込みと引き換えに世界でひとつのあなただけ(御社だけ)のアドレスを付与するのだ。ここにデマや流言蜚語の多いネットの世界で、「この情報に関してはこのサイトを信じてみようか」という気にさせるのだ。大したことない、と思うあなたは情報発信に対しての責任を持たざる人と判断されても、仕方あるまい。勝手気ままな情報発信を否定するわけではない。ただあなたが情報発信をすることによって、社会に対してなんらかのアピールをする必要、あるいは欲望があるのであればドメインを取るべきだ。受け手の姿勢が違うのだ。襟元を正してみてくれる人が増えるはずだ。

 ただファッションでドメインをとりたいと思う方々の射幸心を煽るサービスとして、「無料ドメイン」サービスが何点かある。ブラウザがフレームに分かれてドメインの権利を分け与えるかわりに、広告を挿入させてもらうサービスだ。個人的にこのビジネスプランニングはここ何年かで破綻すると読んでいる。広告主的に魅力を感じられないサービスでしょう。発信者もミーハーなところで、他がドメイン取るならうちもとりあえず取っておくか、という意識しか見えない。むしろプロバイダ直下のディレクトリにあった方がいいかもしれない。これは一番危険なドメインの運用だと思う。まだ転送の方がいいだろう。

 ドメインもトップやセカンドレベルで主張が変わることが多い。例えば.govなんてくればアメリカの公的機関にしか認められないサイトだから、その情報は政府筋の確かなものに違いない。日本でもgo.jpはそれにあたる。co.jpも.comに比較級で較べるとちょっと信用性は高く感じられる。ac.jpは学校に与えられるドメインだが、学生発のサイトもあるからどうかなぁ等など・・・とにかくドメインは実は相当主張しているのだ。その使用は諸刃の剣だが、確実にコンセプトのあるサイトが、そのコンセプトにマッチして、(更に)判り易いドメインを取得することが出来れば、フォローの風を運んでくれることに違いない。