個人・小資本情報発信概論

20世紀、僕は衆愚の中で付和雷同を強要され、それに同化する最大限の努力をした。コミュニズムの掟、それは偏差値で換算される人間の価値。少年の頃からその違和感を全面的に感じ取ってしまっていた。自らを差別化、記号化させる道へ。それは自らを「個」と認めることと、一つ一つの他者をすべて「個」として見る目を養うことに始まった・・・。

act.1 あんた誰のためにHPやってるのさ?

 表題の問いに即答できますか?ホームページ運営者諸君!
「誰のためでも無い、決まってリゃー、自分のためさ!」勿論そうです。そのとおりです。
じゃあ、その目的は?趣味、ビジネス、出会い、応援、研究発表、惰性、日課、生活の張り、家族の紹介・・・いろいろあるね。いんだよ、それで。その崇高な目的や意思に添って運営してれば。でもね、見栄とか変な義務感で運営するのはよそうよ。

「楽しくなければホームページじゃない」
 どっかで聞いたようなキャッチコピーかもしれないが・・・。最低限サイトマスターであるあなたが楽しめないようなホームページは今すぐ畳んだ方がいい。仕事としてやる場合もそうだね。勿論どこかに属していれば話は別だが、SOHOとして運営していくならここが苦しみを乗り越えられるか、否かの分水嶺になってくるはずだ。よしんば、趣味でやっているのであれば尚更だ。自分が楽しめないホームページ基本的に他人はもっとつまらないはずだ。
 しかし自分が楽しければ他人もきっと楽しいに違いない、というのは早合点にすぎる。個人・小資本の情報発信は「マス」を目指した方向性と基本的に違う認識が必要だ。(これに関しては又別項で話そう)
 手段が目的と倒錯している方々が多すぎる。

「ジタ〜バ〜タするなよ」
 いまや石川秀美と結婚してマイホームパパの雰囲気しかないヤッくんが、10代の頃ガンたれながら歌ってた歌詞なんだけど、アクセスが1日1桁しかなかろうが、Yahooに登録されまいが、ジタバタするなよ。ちなみにKZI.COMのページ、Yahooのマスコミ>ラジオなんてチョー来そうなカテゴリに運良くリンクされてるけど、大してYahooから閲覧者来ないぜ。せいぜい1週間10-30ぐらいなもん。要はたくさん人集めたければ他の方法はワンサとあるはず。いやその前にあんたのホームページそんなに人集めなきゃいけない理由があるのか?少ないアクセスながらも毎日BBSに書き込んでくれる、ありがたいリピーターとの心の交流が出来てれば、それでいいじゃない。そのジャンルのマーケットサイズ以上に閲覧者呼び込もうとすれば、ジャンル変えるしか方法ないよ。そしたら楽しい?人間は成長したい動物だけど、みんなホームページを持つようになればそれだけ競争力が高くなってるわけ。モー娘のホームページ作ろうにも、後発で始めたところで先発に巨大なビジターが集まるサイトがあれば最早活発に情報交換行われてるほうに安住するでしょう、ファンなら。だから個人レベルのサイトで(劇的に)成功しているのはみ〜んな先発なんだよね。でもあなたは劇的に成功しなければならない理由がありますか?劇的に成功するためにはなにもかもなげうってサイトに傾倒していくぐらいの気概がなければ務まりません。
 アクセスの数が成長ではない。アクセスの質が成長だ。
質とはあなたがサイトを最初に作ったときに「こんなサイトが出来たら楽しいだろうな」と思い描いた形、それに近づいているかどうかではないのか。「こんな出会いがあった」「この趣味に関して熱く語り合える人が出来た」「前からほしかったものが入手できた」「自分が発信した情報にリアクションがあった」・・・あなたが目指すべき場所。それは人のサイトとは違うはずだ。自分だけの目標。それを作ろう。それこそがオリジナルだ。ホームページ、それは世界にひとつしかないあなただけのメディア。それを宝物だと思え。思えないようなら情報発信をやめろ。一生懸命に情報発信する人間にはそれを受け止める人間が現れる。数じゃない、受け止め方だ。
 他人の目を気にするな。競合サイトと逆をやってやれ。「独創的」これこそが個人メディアを端的にあらわす言葉だ。