世界中から賞賛のメールが届いた。勿論曲を作ったり、演奏したりしてるのは僕じゃない。ただ、このジャンル(PUNK、HARDCORE)の音楽を紹介したいと思い企画化し、実際に制作し、国外の人まで聞いてもらえるまでになった一連の仕掛けはKZIが担当している。日本人でさえ認知していない、若者の地の底から這い出すような叫び、音に対して、オランダの若者は「日本語のわからない私でさえ『LOUD SYSTEM』を愛してる」とまで言ってくれた。500メートルの範囲内でしか聞けなかったラジオ番組を全世界の人が聞いている。

 僕は昔ミニFMを趣味でやっていた人間です(後お金をもらって運営していた時期もありますが・・・)。やるからには「メディアたりえん」という気概を持って運営してるんだけど、制作側とぶつかったり、全然反響なかったりして、「何でこんなことやってるんだろう?」と常々疑問を感じながら細々と運営を続けました。しかしつらくなると僕の窮状を知ってか知らずか、励ましの手紙がリスナーから来るんですよね。それも近所っていうよりは郵送でネットしてもらっていた遠方のミニFM局で聞いてるリスナーとかから。或いは毎回郵送費用を払って聞いてくれてるテープリスナーから。
 励ましをくれるリスナーさんは車で出来たばかりの恋人と一緒に僕等が作った番組を聞いてたんだって。「一緒に聞いてる彼女?にプレゼントしたいので、○○プレゼントに応募します」とか言ってた。数年後結婚したってお便りをもらったんだけど、ちょっとはお役にたてたのかな。

 貧弱な装備しか持っていない機材。頭を振り絞って考え抜いたお金が無くても有効な宣伝手段。魅力ある出演者を常にブッキングしようと首都圏を這いずり回る行動力。一から企画を媒体化させていく手腕だけは僕にあるはずだ。勿論現状至らない、力不足な点も多いけどさ。演歌歌手がみかん箱の上に乗って歌うようなプロモーションもやってきて、それを恥ずかしいとはもう思わなくなった。行政が税金を使って誰も聴かないラジオ局を作ってます・・・。又、高い金で一流のデザイナーさんに作らせた、誰も見てくれる人がいないWEBサイトが、今日もどこかで生まれています・・・。金太郎飴のように似通ったメディアが巷にあふれ情報は錯綜し、一般消費者を惑わしています。そんなセオリックなメディアとは違った種類の、違ったアプローチのメディアを作っていきたいと思ってます。

 例えば、こんなアプローチ。「お笑い芸人」ってどうやってメジャーになっていってるんだろう?こんな単純な悩みも唯TVを見ている人にはわからない。ライブを見にいかなければわからない。でもライブやってるのは東京か大阪だけなんですよね。これから勢いをつけていく若手をチェックしたい!こうした需要は潜在的に日本全国にあると思います。KZIでは法人化する前(2000年初頭)から実験的にストリ−ミングで東京のお笑いライブを配信してきております。別になんのバックも持っていない僕が、「そうしたい」と思ったから今も続けてます。

 出演者に夢を与え、視聴者に喜びや楽しみを与えられ、僕自身が楽しめるメディアを今後も作っていきたい。もしうまくいかなくてネットインフラも機材も何もかも失っても、公園で拡声器ひとつで、いやそれさえなければ地声だけでメディアを作ってやる。死ぬまでメディアを作っていこうと決めたから・・・。

 KZI.COMは「人間的な考え方」「夢」「横の繋がり」等を大切にします。皆様からの声に一喜一憂します。本当の自分らしさを出すことが一番カッコいいことだと考えます。気取ったり、既存メディアの手法を形骸模倣して喜んだりしません。その人なりのオリジナルな発信方法を提案しつづけます。何よりも発信者との横の繋がりを大事にしたいからです。オリジナルな手法でオリジナルな情報を発信する方々に敬意を表し、協力したいからです。

→KZI.COMの目指す方向性